コインランドリー経営・開業お役立ちコラム

公開日 2025.05.31 更新日 2025.07.03

コインランドリーの初期費用はいくら?内訳や費用を抑える方法を解説

コインランドリー経営は、省人化・安定収益が見込めるビジネスとして注目されていますが、初期費用が気になる方も多いでしょう。店舗の規模や設置する機器によって、必要な資金は大きく変わってきます。

 

本記事では、コインランドリーの初期費用や設備ごとの内訳、費用を抑える方法を解説します。これからコインランドリー事業を始めたいと考えている方は、参考にしてください。

コインランドリー開業にかかる初期費用

 

コインランドリーを開業するには、一般的に2,300万〜3,500万円程度の初期費用がかかります。金額に幅があるのは、下記の項目によって費用が大きく変動するためです。

 

  • 出店場所の条件
  • 店舗の規模
  • 設置する機器の台数
  • 内装・外装のこだわり

 

たとえば、自己所有地を活用する場合と、店舗を新築する場合ではコストに数百万円以上の差が出ます。機器を購入かリースかによっても初期投資額は変わってきます。

 

これらの要素を踏まえたうえで、適切な資金計画を立てることが重要です。

コインランドリーの店舗規模別に見る初期費用の違い

 

コインランドリーの初期費用は、店舗の広さや設置する機器の数によって大きく変わります。ここでは、下記の規模に分けて、費用相場や特徴を解説します。

 

  • 大型店舗
  • 小型店舗
  • 物置型(コンテナ式)店舗

 

詳しく見ていきましょう。

大型店舗

50坪以上の大型店舗を開業する場合、初期費用は2,500万〜3,500万円が目安です。洗濯機・乾燥機ともに10台以上の設置が必要になるほか、駐車場の確保や広い店舗の内外装工事などもコストに反映されます。

 

地方や郊外型店舗では、車で来店する顧客を想定し、敷地面積の広さが求められます。そのため、それに伴う工事費や設備投資も高額になりがちです。

 

大量の機器導入によって運営効率は上がる反面、初期投資回収まで時間がかかる可能性があるため、入念なシミュレーションが必要です。

小型店舗

15〜20坪程度の小型店舗では、初期費用は1,500万〜2,500万円ほどです。設置する機器は6〜10台前後が一般的で、必要最低限の内装工事と宣伝活動を行えば、比較的低コストで開業できます。

 

都心部やテナントの一角に設置されることも多く、立地次第では高い回転率も見込めます。ただし、機器の少なさが収容能力に直結するため、需要と供給のバランスを考慮して出店計画を立てることが重要です。

 

初期費用を抑えつつ、効率的な経営がしやすい規模といえるでしょう。

物置型(コンテナ式)店舗

3〜5坪程度のスペースで展開できる物置型(コンテナ式)コインランドリーの初期費用は、2,000万〜2,500万円程度が相場です。既存の駐車場や空きスペースに設置でき、内装・建築費用を大幅に抑えられるのがメリットです。

 

設置する機器は乾燥機のみ、あるいは最低限の台数に絞られるケースが多く、初期投資を抑えて小規模で始めたい方に適しています。一方、設置できる機器の台数に限りがあるため、来客数が多いエリアでは回転率の面で課題が残ります。

初期費用の内訳と設備費用

 

コインランドリーの開業には、複数の費用項目が関わってきます。中でも大きな割合を占めるのが下記の費用です。

 

  • 土地・建物にかかる費用
  • 洗濯機・乾燥機などの設備導入費
  • 施工費
  • 広告・宣伝費などの開業準備費
  • 火災・設備の保険費用
  • フランチャイズ費用

 

各項目ごとの費用相場を見ていきましょう。

土地・建物にかかる費用

土地を購入して新築する場合、費用は3,000万〜8,000万円程度と大きな負担になります。鉄骨造の平屋店舗であれば、建築費だけでも20坪で約1,600万円が相場です。

 

これに加えて、土地の取得費や地盤改良、外構工事などの費用がかかる場合もあります。初期費用を抑えるなら、賃貸物件を利用するのもおすすめです。

 

賃貸の場合は、保証金や仲介手数料が必要となり、100万〜300万円ほどが目安となります。

洗濯機・乾燥機などの設備導入費

洗濯機や乾燥機といった機器類の導入には、1,800万〜2,500万円ほどが相場です。洗濯乾燥機や大型乾燥機は1台あたり数十万〜数百万円と高額で、設置台数が多いほどコストも増加します。

 

20坪前後の標準的な店舗では、14台前後の機器が導入されることが多く、設備費だけで2,000万円以上になるケースも。費用を抑えたい場合は、中古機器やリースの活用も検討しましょう。

施工費

店舗内外の施工費は、500万〜1,000万円が目安です。費用には、下記の項目が含まれます。

 

  • 給排水設備
  • 電気工事
  • 内装
  • 外装
  • 看板設置

 

建物の構造や元の状態によっては、費用が上下するため、複数の施工業者から見積もりを取って比較することが重要です。無人運営を想定する場合は、防犯カメラや遠隔操作システムの導入も必要なため、追加費用が発生する点に注意しましょう。

広告・宣伝費などの開業準備費

開業時の宣伝費や備品購入費は、50万〜200万円程度を見込んでおくと安心です。具体的には、下記の費用が含まれます。

 

  • チラシ・ポスター・のぼり・ホームページ作成などの集客施策
  • たたみ台・ベンチ・清掃用具などの備品

 

集客を成功させるためには、オープン前からの情報発信が重要です。そのため、適切な予算配分と戦略的なプロモーション計画が必要となります。

火災・設備の保険費用

店舗や機器を守るためには、火災保険や施設賠償責任保険への加入が欠かせません。年間保険料の目安は、規模や保険内容にもよりますが、年間7万円前後が目安です。

 

ただし、立地や建物構造、設備の内容によって大きく変動するため、複数の保険会社に見積もりを取るのが賢明です。万が一のトラブルに備えることで、経営リスクを最小限に抑えられます。

フランチャイズ費用

フランチャイズに加盟する場合、加盟金やロイヤリティが発生します。一般的な加盟金は、100万〜200万円ほどが相場です。ロイヤリティや運営サポート料などが別途かかる場合もあります。

 

一方、「株式会社ニド」の施工はフランチャイズ制ではありません。独立開業スタイルのため、加盟金やロイヤリティは不要です。

 

開業時の自由度が高く、初期費用を抑えやすい点が特徴といえるでしょう。

初期費用を抑えるための5つの方法

初期費用を抑えるための方法は、下記のとおりです。

 

  • 中古機器を活用して導入コストを削減する
  • 国や自治体の補助金・助成金を上手に利用する
  • 小規模・無人型店舗で低コスト運営を図る
  • 設備リースの活用で初期負担を軽減する
  • フランチャイズ加盟でサポートと割引を受ける

 

詳しく解説します。

中古機器を活用して導入コストを削減

中古の洗濯機や乾燥機は、新品と比較して導入コストを半分程度に抑えられるため、初期投資を大幅に削減できる点が魅力です。しかし、機器の劣化や予期せぬ故障リスクがあるため、使用年数・整備状況によっては頻繁な修理や部品交換が必要になることも。

 

営業機会の損失や追加の修理コストを招き、結果的に「安物買いの銭失い」となる可能性もあります。そのため、総合的に見ると積極的におすすめできる選択肢とはいえません。

 

信頼できる専門業者から徹底的に整備された状態のよい機器を選び、短期的な運用や特定の目的であれば、費用を抑える手段にはなるでしょう。その際も、製造年や使用状況、保障の有無は必ず確認すべきです。

 

長期的な安定稼働やトータルコストなどを考慮すると、新品導入の安心感やメリットを上回るケースは限定的でしょう。安易な選択は避け、慎重な判断が求められます。

国や自治体の補助金・助成金を活用

国や地方自治体が提供する補助金や助成金制度を活用することも、初期費用の負担軽減につながる可能性があります。具体的には、下記の補助金・助成金が該当します。

 

  • 新事業進出補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • ものづくり補助金

 

2025年度(令和7年度)から開始見込みの「新事業進出補助金」は、公募終了した事業再構築補助金の後継とされています。中小企業による新市場への進出や事業転換、それに伴う大規模な設備投資などを支援するのが目的です。

 

コインランドリー事業では、最新鋭の省エネ機器導入や新コンセプトの店舗展開、DX化推進などに活用できる可能性があります。ただし、いずれの補助金も申請すれば申請すれば必ず受けられるものではありません。

 

事業計画の実現可能性や自己資金の状況など、厳しい審査基準が設けられていることが一般的です。そのため、実際には利用できないケースも多く見受けられます。

 

補助金に過度な期待はせずに、準備をすすめることが大切です。

小規模・無人型店舗で低コスト運営を図る

店舗の面積を必要最小限に絞ることで、物件取得費用や月々の家賃、内装工事にかかる費用を削減できます。導入する洗濯機や乾燥機の台数も、地域の需要を見極めながら最適化すれば、高額な機器購入費用を削減可能です。

 

基本的な清掃や集金、軽微なトラブル対応などをオーナー自身で行うか、巡回管理にするのも効果的です。こうした工夫によって、人件費を最小限に抑えた運営が叶います。

 

コンパクトな店舗で効率的な運営を目指すことが、低リスクで安定したコインランドリー経営への近道です。

設備リースの活用で初期負担を軽減する

洗濯機や乾燥機など、高額な設備をリース契約で導入する方法は、購入するよりも初期の現金支出を大幅に抑えられるメリットがあります。まとまった開業資金の準備が難しい場合に、有効な選択肢です。

 

ただし、リース契約には金利や手数料、保険料などが含まれます。最終的な総支払額は、現金で購入するよりも高くなるのが一般的です。金利負担がデメリットとなり得るため、個人での開業の場合はあまりおすすめできません。

 

一方、法人が経営する場合は、月々のリース料を全額経費として処理できます。そのため、節税効果が期待できる側面もあります。

 

リース契約は中途解約が原則できない点も考慮し、事業計画と照らし合わせて慎重に検討すべき方法です。

フランチャイズ加盟でサポートと割引を受ける

コインランドリー経営を始めるにあたって、フランチャイズ(FC)に加盟する選択肢もあります。FC加盟の一般的なメリットは、下記のとおりです。

 

  • 確立されたブランドイメージの利用
  • 本部からの経営ノウハウの提供
  • 運営サポート・研修制度

 

場合によっては、洗濯機器や洗剤などを割引価格で仕入れられる点があげられます。未経験で開業する方にとっては、これらのサポートは心強いでしょう。

 

ただし、通常は加盟金や毎月のロイヤリティ(売上の一部)の支払いが発生し、長期的な収益を圧迫する可能性も否定できません。フランチャイズ契約の内容は多岐にわたるため、契約条件を細部まで確認することが不可欠です。

 

なお、「株式会社ニド」ではフランチャイズ制度は採用していません。加盟金などをいただくことなく、独自のノウハウに基づいた手厚い開業・運営サポートを提供しています。

コインランドリー機器の購入・調達方法を比較

コインランドリー経営の成功には、適切なランドリー機器の調達方法を選ぶことが重要です。下記では、新品購入・リース契約・中古購入のメリットとデメリットを比較しました。

 

導入方法 機器購入 リース契約 中古機器購入
初期費用 高い 安い 比較的安い
月額費用 なし あり なし
所有権の有無 あり なし

(契約終了後購入可能な場合あり)

あり
メリット
  • 長期的に見て割安になる
  • 資産計上できる
  • 初期費用を抑えられる
  • 経費処理できる
導入コストを抑えられる
デメリット 初期投資額が大きい
  • 総支払額が高くなる
  • 中途解約できない
  • 故障リスクがある
  • 耐用年数が短い

 

短期間での資金回収や節税を重視するならリース、長期的に所有したい方や資産化を狙うなら購入がおすすめです。中古導入は、慎重に機器の状態を見極めたうえで検討してください。

 

どの方法が最適かは、開業時の資金状況や長期的な経営計画、機器の所有権に対する考え方によって異なります。それぞれの特徴を理解し、事業計画にもっとも適した選択をしましょう。

初期費用に見合う売上は見込める?回収期間の目安

コインランドリー経営は、比較的安定した利回りが見込める投資です。一般的な利回りは8〜12%程度で、不動産投資と比べても高水準です。標準的な小規模店舗(15坪)であれば、初期費用約2,300万円に対し、月間純利益は約32万円になります。

 

投資回収には、平均6〜7年が目安とされています。大型店舗(30坪以上)であれば約7〜10年ですが、立地や稼働率次第では3〜6年での回収も可能です。季節による変動や地域特性も加味した、長期的な収支計画を立てることが重要です。

まとめ:コインランドリー開業にかかる初期費用を正しく理解しよう

コインランドリー開業における初期費用は、事業計画全体の大きな柱となります。内訳を把握し、機器の調達方法や費用を抑えるためのポイントを正しく理解したうえで、無理のない計画を立てましょう。賢い資金計画と運営戦略が、安定したコインランドリー経営を実現します。

 

開業の初期費用や事業計画について具体的なアドバイスを求めている方は、「株式会社ニド」にご相談ください。1,000件以上の開業をお手伝いしてきた、豊富な経験と実績があります。

 

相談・見積もりは無料ですので、お客様に最適な開業プランの作成を、気軽にお問い合わせください。

 

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この記事の監修者

監修者の写真

横山 秀二 (ヨコヤマ シュウジ)

株式会社ニド 営業部長

《経歴・略歴》

工業高校(機械科)を卒業後、車業界へ就職、その後機械に興味を持ちランドリー業界に転職

《事業への思いや強味》

車業界で機械修理と営業職を行ってきたので、営業+機械修理などの技術職が得意です。
ランドリー業界の仕事も車の仕事と似た所が有り、新規営業などを行いながら機械修理を行うので、営業+機械修理が得意です。また、販売して終わりでなく販売してからが長いお付き合いと思いながら取り組んでおります。