公開日 2025.05.31 更新日 2025.06.05

コインランドリー経営は儲かる?収支シミュレーションと成功の条件を解説

空いた土地を有効活用したい、手間のかからない副業を探している方に注目されているのがコインランドリー経営です。しかし、実際に儲かるのか、どれくらいの収益が見込めるのか、不安になる方も多いでしょう。

 

本記事では、コインランドリー経営の収益目安や、成功しやすい人の特徴を解説します。コインランドリーの経営をはじめようと考えている方は、参考にしてください。

コインランドリー経営の収益目安

コインランドリー経営でもっとも気になるのが、どのくらい儲かるのかという点です。ここでは、下記の項目ごとに、コインランドリー経営の収益について具体的に解説します。

 

  • おもな収入源
  • ランニングコストの内訳
  • 機器償却後に利益が大きくなる仕組み
  • 利回り8〜12%が目安とされる理由

 

詳しく見ていきましょう。

おもな収入源

コインランドリーのおもな収入は、顧客が洗濯機や乾燥機を利用する際の利用料金です。売上の中心は洗濯から乾燥まで1台でこなせる洗濯乾燥機で、全体の約6割を占めます。

 

次に、パワフルなガス式の衣類乾燥機が約3割です。洗濯のみの洗濯機や、スニーカーランドリーなどのそのほかの機器が残りの1割程度を構成します。

 

これらの機器が24時間、あるいは長時間稼働することで、継続的な収益を生み出す仕組みです。顧客のニーズに合わせた多様な機器をバランスよく配置することが、安定した収入確保のコツとなります。

ランニングコストの内訳

コインランドリー経営のランニングコストで大きな割合を占めるのが、洗濯機・乾燥機、店内の照明などに使う電気代(電灯・動力)です。次に、洗濯に必要な水道代と、ガス乾燥機を使用する場合のガス代があげられます。これらは売上に比例して変動するコストです。

 

また、清掃や集金、トラブル対応などを外部に委託する場合は、アウトソーシング費用も発生します。これらのコストをいかに抑え、効率的な運営ができるかが収益性を高めるポイントとなります。

機器償却後に利益が大きくなる仕組み

コインランドリー経営では、初期投資として高額な洗濯機や乾燥機などを導入します。これらの機器は経費として一度に計上するのではありません。法的に定められた耐用年数にわたって、分割して計上する「減価償却」を行います。

 

大型の洗濯乾燥機の場合、法定耐用年数は一般的に13年です。期間中は、毎年の減価償却費が経費として計上されるため、その分利益が少なくなります。

 

しかし、13年が経過し償却期間が終了すると、14年目以降は減価償却費の計上がなくなります。結果、経費が大幅に減少し、利益が大きく増加する仕組みです。

利回り8〜12%が目安とされる理由

コインランドリー経営の利回りは、一般的に8%から12%程度が目安とされています。この数値は、年間収益を初期投資額で割って算出される「投資効率」を示す指標です。

 

利回りに幅があるのは、店舗の立地や規模、物件の種類によって、経費が大きく変動するためです。自己所有の物件は家賃が発生しないため、12%以上の高い利回りを期待できます。

 

8~12%という利回りは、ほかの不動産投資などと比較しても好条件とされており、コインランドリー経営が魅力的な投資先の1つとされる理由です。

都市型10坪店舗の収支シミュレーション

コインランドリー経営の収益性を具体的にイメージするために、ここでは都市部における10坪程度の小規模店舗をモデルとした、収支シミュレーションを紹介します。

 

  • 立地条件とターゲット
  • 設備構成と売上モデル
  • 開業投資と回収イメージ

 

具体的な数字を交えながら見ていきましょう。

立地条件とターゲット

おもなターゲットは、都心の駅近くや、単身者向けマンション・タワーマンションが密集するエリアに住む人々です。

 

これらの地域は、自宅に洗濯機を置かない、あるいは洗濯物を干すスペースがない単身者や共働き世帯が多く、コインランドリーの需要が高い傾向にあります。従来のイメージを払拭し、清潔感と安心感を重視した店舗デザインにすることで、利便性を求める主婦層の利用も期待できるでしょう。

設備構成と売上モデル

10坪という限られたスペースを最大限に活用するためには、効率的な設備構成が求められます。具体的な設備構成は、下記のとおりです。

 

  • 洗濯乾燥機:3台
  • 14kgのガス衣類乾燥機の二段式:2台
  • 小型洗濯機:1台

 

この構成の場合、洗濯乾燥機を主力に、布団などの大物洗いや雨天時の乾燥需要に応えることで安定した売上を目指します。都市型モデルでは、月間50万円前後の売上も可能です。機器の稼働率が収益を左右するでしょう。

開業投資と回収イメージ

都市型10坪店舗を既存の建物で開業する場合、初期投資額は内装工事費や設備導入費を含め、2,000万円程度が目安となります。

 

初期投資2,000万円のケースで、月間売上が40万円の場合、投資回収期間は約4年6ヶ月です。回収期間は、実際の売上や経費の状況により変動します。

 

なお、機器の減価償却期間が終了すると経費負担が軽減されます。そのあとの利益はさらに増加し、長期的な収益性向上が見込めるシミュレーションです。

郊外型24坪店舗の収支シミュレーション

ここでは郊外における24坪店舗をモデルとした、収支シミュレーションを紹介します。

 

  • 立地条件と経営方針
  • 設備構成と売上モデル
  • 中〜大規模で安定収益を狙う方向けモデル

 

詳しく見ていきましょう。

立地条件と経営方針

大型スーパーや商業施設の駐車場隣接地、または日常的に住民が利用する生活幹線道路沿いが理想的です。

 

これらの場所は、買い物ついでや車での来店が期待でき、広めの駐車スペースを確保しやすいメリットがあります。清潔感・安心感を重視しつつ、郊外ならではのニーズに応えることが重要です。

 

具体的な工夫は、下記のとおりです。

 

  • 週末のまとめ洗い、布団などの大物洗いに対応できる大型機器の導入
  • キャッシュレス決済、ICカードシステムの導入による利便性向上

 

おもなターゲットのファミリー層や主婦層に対し、積極的に魅力をアピールしていくことが求められます。

設備構成と売上モデル

郊外型の24坪店舗では、広さを活かした多様な大型機器の導入が収益につながります。具体的な設備構成は、下記のとおりです。

 

  • 洗濯乾燥機:5台
  • ガス衣類乾燥機:14kg2段式3台
  • 乾燥機:25kg2台
  • 洗濯機:3台

 

充実した設備により、毛布やカーテンなどの大物洗いはもちろん、週末のまとめ洗いにも十分対応できます。高い稼働率が期待できるでしょう。

 

設備構成と効果的な運営によって、既存建物を活用して3,500万円を投資、月間売上80万円を達成した場合、投資回収期間は3年6ヶ月という売上モデルの実現が見込めます。

中〜大規模で安定収益を狙う方向けモデル

安定した高収益を目指すなら、大型スーパーに併設された店舗のような中〜大規模モデルが有効です。スーパーの集客力をコインランドリーの来店につなげやすく、常に一定数の利用が見込めます。

 

月間売上が90万円で、月間コストが50万円かかった場合でも、40万円の利益を確保可能です。初期投資は都市型の小型店舗より高額になりますが、売上規模も大きく、投資回収も早期に進む可能性があります。

 

広い店内なら、快適な待合スペースの設置も可能です。顧客満足度向上にもつながり、長期的な安定経営が期待できるでしょう。

コインランドリー経営で成功しやすい人の特徴

コインランドリー経営は、設備を導入すれば誰でも簡単に成功できるわけではありません。市場の動向を見極め、適切な戦略を立てて、中長期的な視点で経営に取り組む方は成功しやすいでしょう。

 

下記の特徴がある人は、コインランドリー経営で成果をあげる可能性を秘めています。

 

  • 経営に適している土地を判断できる
  • 資金に余裕があり、計画的に準備できる
  • 無人でも放置しない姿勢

 

詳しく解説します。

経営に適している土地を判断できる

成功する人は、所有している、あるいは検討している土地がビジネスに適しているか的確に判断できます。

 

単に人のとおりが多いだけでなく、地域の人口構成やライフスタイルを分析し、潜在的な顧客ニーズを把握する能力が求められます。下記のような周辺環境も重要な判断材料です。

 

  • 近隣の競合店の状況
  • 駐車場の確保の可否
  • 大型商業施設の有無

 

不動産に関する知識や情報を有している方は、これらを総合的に評価し、最適な場所を見極めるうえで有利といえるでしょう。

資金に余裕があり、計画的に準備できる

コインランドリー経営は、初期投資として数千万円規模の資金が必要となるビジネスです。開業後すぐに満席稼働となるわけではなく、認知度が向上しリピーターが定着するまでには一定期間を要します。

 

初期投資費用に加えて、開業初期の運転資金や不測の事態に備えた予備資金を含め、手持ち資金に十分な余裕があることが成功の前提条件の1つです。

 

具体的には、2,000万~3,000万円の初期投資と、半年から1年程度の赤字にも耐えられる運転資金を準備できる計画性が求められます。無理のない範囲で事業をスタートできる方が、コインランドリー経営の成功に近いといえます。

無人でも放置しない姿勢

コインランドリーは無人経営が可能ですが、「無人=放置でよい」わけではありません。成功する方は、この点を深く理解し、日々の運営に細やかな配慮を欠かしません。

 

たとえば、下記のような業務が日常的に発生します。

 

  • 店舗内外の清掃
  • 機器の定期的なメンテナンス
  • 売上金の回収・管理業務
  • 利用者からの問い合わせ対応
  • 機器故障などの緊急トラブル対応

 

これらの業務を自身で丁寧に行うことも1つの選択肢です。しかし、スムーズな経営や早期の成功を目指すうえでは、専門業者へ効果的にアウトソーシングできる判断力も重要です。

 

すべてを1人で抱え込まず、清掃や専門的なメンテナンスはプロの手に委ねることで、質の高い店舗環境を維持できます。

儲かるコインランドリーに共通する5つの工夫

コインランドリー経営で成功を収めている店舗には、集客とリピーター獲得のための共通した「工夫」が見られます。重要とされるポイントは、下記のとおりです。

 

  • 目を引く看板戦略
  • 効果的なチラシ配布
  • 徹底された店舗内の清潔感
  • 出入りしやすい駐車場の確保
  • 安心感のある店舗の視認性

 

これらの工夫について解説します。

立地を見極める

成功する店舗は、単に人のとおりが多い場所を選ぶだけでなく、下記のポイントを総合的に分析し、最適な出店場所を見極めています。

 

  • 周辺住民の構成や生活動線
  • 近隣の競合店の状況
  • 集客力のある商業施設との近接性

 

この初期段階での的確な判断が、そのあとの経営の安定性に大きく影響します。

地域に合った設備を導入する

店舗の立地するエリアのライフスタイルを深く理解し、最適な設備を提供することが、顧客満足度と売上向上につながります。エリア別の設備導入例は、下記のとおりです。

 

エリア 推奨される設備構成
郊外型店舗

(ファミリー層が多い地域)

大型洗濯機、大容量ガス乾燥機を中心としたラインナップ
都心型店舗

(単身者・学生が多い地域)

洗濯乾燥機を主力に、中規模の機器を効率的に配置

 

このように、ターゲット顧客のニーズを見極め、適切な設備を導入することで、多くの利用者に選ばれる店舗を目指せます。

駐車場やアクセスの利便性を確保する

大量の洗濯物を運ぶ利用者にとって、ストレスなく利用できる環境はリピートに直結します。駐車場で重視すべきポイントは、下記のとおりです。

 

重視すべきポイント 詳細
設置場所 利用者が最短距離でアクセスできる位置
出入りのしやすさ スムーズに駐車・発進できる十分なスペースと動線
駐車台数 余裕を持った駐車可能台数の確保
レイアウト 利用者が安心して駐車しやすい区画の広さや配置

 

また、大通りからのアクセスがよい、店舗が見つけやすい立地であることも重要です。利用者のストレスを軽減できるため、リピート利用につながります。

清掃やメンテナンスを徹底する

儲かっている店舗は例外なく、店内外の清掃と機器のメンテナンスを徹底しています。床や洗濯機周りはもちろん、利用者が待つスペースも常に清潔に保ち、快適な空間を提供することが顧客満足度を高めるでしょう。

 

とくに、洗濯槽の汚れや洗剤の残りカスなどは不快感を与えるため、定期的な専門清掃も欠かせません。専門的な知識が必要なメンテナンスや、手の行き届きにくい部分の清掃は、信頼できる外部業者へ委託することも、品質維持の有効な手段です。

看板やチラシで集客を強化する

効果的な集客には、店舗の存在を知ってもらうことが不可欠です。中でも、遠くからでも視認性の高い看板は重要な役割を果たします。幹線道路沿いや生活道路に面した店舗では、効果的な看板設置が集客の第一歩となります。

 

チラシも有効な手段ですが、毎週多くのチラシが配布される地域では埋もれてしまう可能性も。開店時やリニューアル時など、インパクトを与えたいタイミングで集中的に活用しましょう。

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まとめ:収益の仕組みを押さえて、理想のコインランドリー経営を実現させよう

コインランドリー経営の収益は、おもに機器の利用料から得られます。一般的に利回りは8~12%が目安とされ、魅力的な投資効率といえます。

 

また、コインランドリーは立地、店舗の清潔さ、機器の使いやすさが重要です。収支の仕組みを十分に理解したうえで、計画的な経営を目指すことが大切です。

 

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