コインランドリー経営・開業お役立ちコラム

公開日 2025.08.01 更新日 2025.09.09

コインランドリー経営はフランチャイズが有利?メリット・デメリットと個人経営との違い

「フランチャイズでコインランドリー経営を始めたい」「メリットやデメリットを教えてほしい」などと考えていませんか。個人経営との違いがわからず、悩んでいる方もいるかもしれません。
フランチャイズのメリットは、本部が蓄積したノウハウを活用できる点です。ただし、対価としてロイヤリティなどを支払う必要があります。
ここでは、フランチャイズ経営と個人経営の違い、フランチャイズに加盟するメリット・デメリットなどを紹介しています。理解を深めたい方は参考にしてください。

コインランドリー経営のフランチャイズと個人の違い

コインランドリー経営の選択肢は以下の2つです。
【選択肢】

  • フランチャイズ経営
  • 個人経営

J-Net21は、フランチャイズを以下のように定義しています。

フランチャイズチェーンとは、フランチャイズ(以下FC)システムにより多店舗展開をしているチェーン店のことです。FCシステムとはFC契約をベースとして、商標(チェーン名)の使用許諾をはじめとした商品、サービスの販売権をチェーン本部が加盟店に与え、商品の供給、販売や経営などのノウハウの提供・指導を行います。
そして、加盟店はこの見返りとして、加盟するときには加盟料、加盟後にはロイヤリティをその対価として本部に支払うものです。
引用:J-Net21「フランチャイズの特徴とその仕組みを教えてください。」

両者の特徴は以下のとおりです。

項目 フランチャイズ 個人
加盟金・ロイヤルティ あり なし
ノウハウの提供 あり なし
本部のサポート あり なし
経営の自由度 低い 高い
資金調達の難易度 低い 高い

フランチャイズは本部からサポートを受けられる点、個人経営は自由に経営できる点が魅力といえるでしょう。

関連記事:コインランドリー経営は個人でもできる?開業の流れと立地の選び方

コインランドリー経営をフランチャイズで行う場合にかかる資金

コインランドリーの開業、運営にかかる費用は、フランチャイズ経営と個人経営で異なります。ここでは、フランチャイズ経営にかかる費用を紹介します。

開業資金

フランチャイズでコインランドリー経営を始める場合にかかる費用の目安は1,500~3,000万円程度です。具体的には以下の費用などがかかります。

項目 費用の目安
加盟金など 50~100万円
店舗取得費 300~1,000万円
設備取得費 800~2,000万円
内装工事費 200~500万円
外装工事費 200~500万円

具体的な金額は、店舗の規模や状態などで異なります。加盟金などは発生しますが、本部が開拓した取引先を活用できるため、個人でスタートするよりも開業資金を抑えやすい傾向があります。

運営資金

運営資金の目安は、1カ月あたり30~70万円程度です。具体的には、以下の費用などがかかります。

項目 費用の目安
家賃 8~55万円
光熱水費 売上の約20%
雑費 2~3万円
広告宣伝費 1~2万円
ロイヤリティ 売上に対して5~10%

残念ながら、ロイヤリティをなくすことは原則としてできません。ランニングコストが気になる場合は、他の項目にかかる費用を抑えることが大切です。
たとえば、物件を慎重に選ぶと、家賃を抑えられる可能性があります。店舗を運営するかぎり費用が発生するため、コスト削減によって得られる効果は大きいといえます。

コインランドリー経営を個人で行う場合にかかる資金

続いて、個人経営でコインランドリーを開業した場合にかかる費用を紹介します。

開業資金

個人経営で必要になる開業資金の目安は2,000~4,000万円程度です。具体的には、以下の費用などがかかります。

項目 費用の目安
店舗取得費用 300~1,000万円
設備取得費用 1,200~2,000万円
内装工事費 250~550万円
外装工事費 250~550万円

個人で開業する場合も、かかる費用はケースで大きく異なります。中古設備などを用いると、開業資金を抑えられるでしょう。

 

関連記事:コインランドリー開業で利用できる融資制度や補助金について解説

運営資金

運営資金の目安は、1カ月あたり50万円程度です。費用の内訳は、フランチャイズ経営と大きく変わりません。主な違いは、ロイヤリティが発生しないことです。したがって、運営資金を抑えやすい傾向があります。

コインランドリー経営をフランチャイズで行うメリット

コインランドリーのフランチャイズ経営には以下のメリットなどがあります。

メリット①ノウハウを知ることができる

フランチャイズは、フランチャイザー(本部)がフランチャイジー(事業を行う個人又は法人)と契約を締結して、経営ノウハウなどを提供し、同一イメージのもとサービスを展開する仕組みです。
その対価として、フランチャイジーは加盟料やロイヤリティを支払います。したがって、フランチャイズ経営を選択すると、本部が蓄積したノウハウを活用して開業準備や店舗運営を行えます。成功や失敗のポイントを理解できるため、ゼロから試行錯誤を重ねる必要は基本的にありません。リスクを避けつつ、事業を軌道に乗せるまでの時間を短縮できる点が魅力です。
また、業界未経験の方でも参入しやすくなります。

メリット②本部のサポートが受けられる

フランチャイズ経営を選択すると、本部が構築した仕組みを利用できるうえ、本部からサポートも受けられます。詳細はケースで異なりますが、具体例として以下の仕組みやサポートがあげられます。

【仕組みやサポートの例】

  • 売上管理システムの利用
  • 稼働監視システムの利用
  • 開業サポート
  • 運営サポート

開業サポートの例として土地選び、店舗設計など、運営サポートの例として定期メンテナンス、トラブル対応などがあげられます。本部の仕組みを活用することで、個人では難しい24時間対応の窓口を設置できる場合もあります。充実した経営体制、運営体制を構築できることが多いでしょう。

メリット③効率的な経営ができる

店舗を効率よく運営できる点もフランチャイズ経営の魅力です。個人経営であればオーナーが対応しなければならない集金、清掃、見回りなどの管理業務を原則として本部に委託できます。
つまり、自分で対応しなければならない業務を減らせるのです。副業としてコインランドリーを経営している場合は、本業に注力しやすくなるでしょう。業務の負担を抑えて、時間を有効活用することで、利益の最大化が期待できます。

メリット④収入が安定する

一般的に、フランチャイズ経営は収入が安定しやすいと考えられています。商標に加え、本部が蓄積したノウハウを活用できるためです。具体例として以下のものがあげられます。

【具体例】

  • 認知度の高い名称で店舗を出店
  • 成功事例のある集客施策を実施
  • 本部の指導のもとSNSマーケティングを展開

認知度の高いブランド名で出店すれば、地域で話題になりやすくなります。したがって、フランチャイズ経営は、新規顧客やリピーターを獲得しやすい傾向にあります。この点は、個人経営と比較した場合の大きな強みです。

メリット⑤資金調達のハードルが低くなる

一般的に、フランチャイズ経営は資金調達のハードルも低くなると考えられています。融資を受ける金融機関に、本部のデータを使って作成した事業計画書を提出できるためです。
具体的な数字をもとに、店舗の将来性を説明できるため、資金調達の成功率を高められる可能性があります。また、フランチャイザーが、開業資金を融資してくれることも考えられます。実際の対応はケースで異なりますが、資金調達のハードルを下げられる点は魅力です。

 

関連記事:コインランドリー経営は個人でもできる?開業の流れと立地の選び方

コインランドリー経営をフランチャイズで行うデメリット

コインランドリーをフランチャイズ経営で運営する場合は以下の点に注意が必要です。

デメリット①ロイヤリティを支払う必要がある

フランチャイズ経営を選択すると、以下の費用などが発生する可能性があります。

【発生する費用】

  • 加盟金
  • 保証金
  • ロイヤリティ
  • 研修費

これらの費用は、店舗運営に活用する商標やノウハウなどの対価です。仕方がないものといえそうですが、運営費などが高くなりやすい点には気をつける必要があります。特に、毎月、発生するロイヤリティには注意が必要です。
店舗運営の重しになることもあります。ロイヤリティの目安は、売上の5~10%程度です。月の売上が80万円であれば、ロイヤリティは4〜8万円程度になります。詳細を確認したうえで、収支計画に反映させておくことが重要です。

デメリット②経営の自由度が低くなる

フランチャイズに加盟すると、個人経営よりも経営の自由度は低くなります。原則として、各フランチャイジーが、同じ内容や品質のサービスを提供しなければならないためです。ブランドイメージを守るため、あるいは成功ノウハウを活用するため、内装デザインから設備の選択、サービス内容まで細かなルールを設けているケースが少なくありません。
したがって、自店舗に適していると判断した施策であっても、実行できない場合があります。自身の考えで店舗を運営したい方は注意が必要です。具体的なルールは、フランチャイジーにより異なります。加盟前に詳細を確かめておくとミスマッチを防ぎやすくなります。

デメリット③競合が多い

フランチャイズ経営に限ったことではありませんが、競合店の多さにも注意が必要です。正確な店舗数は明らかになっていませんが、2021年時点における日本国内のコインランドリー店舗数は24,500店舗程度と考えられています。毎年約5%の割合で店舗数が増加している点も注目すべきです。主な理由は共働き夫婦の増加にともない、週末に衣類などをまとめて洗う家庭が増えたためと考えられています。今後もこの傾向は続くと見込まれるため、競合店の出店を想定した経営戦略を立てておく必要があります。
店舗の多さ関係する注意点は他にもあります。フランチャイズでは、複数の事業者が同一の商標を使って店舗を展開します。したがって、経営主体が別であっても、他店による不祥事の影響を受けるリスクもあります。この点も加盟前に理解しておきたいポイントです。
出典:(pdf)一般社団法人日本コインランドリー連合会「日コ連かわら版」

フランチャイズ経営で本部を選ぶ際のポイント

続いて、フランチャイザーを選ぶ際に意識したいポイントを解説します。

ポイント①ロイヤリティの金額

コインランドリー経営に大きな影響を与える要素として、加盟金やロイヤリティがあげられます。これらの設定は、フランチャイザーで異なるため詳細を確認しておくことが大切です。特に、ロイヤリティは、毎月の収支に大きく関わります。ロイヤリティがなければ黒字化していた可能性もあります。収支をシミュレーションしたうえで、許容できる割合を検討しましょう。
ただし、これらの金額や割合だけでフランチャイザーを選ぶことはおすすめできません。もちろん、身の丈に合った設定は重要ですが、負担の軽さだけに注目すると成功に直結するノウハウを得られなかったり、十分なサポートを受けられなかったりする恐れがあります。フランチャイズに加盟する意味を踏まえて検討を進めることが大切です。

ポイント②サポートの充実度

フランチャイズ加盟後に受けられるサポートは、フランチャイザーで異なります。加盟金やロイヤリティの水準が同じであれば、サポートが充実しているフランチャイザーを選びましょう。コインランドリー経営の成功確率を高められるためです。
たとえば、24時間対応の窓口で顧客満足度を高められる、機器のメンテナンスを定期的に受けてトラブルのリスクを抑えられるなどが考えられます。具体的なサポート内容は、フランチャイザーが開催している説明会などで確認できます。

ポイント③実績

フランチャイザーの実績も確認しておきたいポイントです。実績豊富な事業者は、成功ノウハウを蓄積していると考えられます。質の高いサポートを受けられるケースが多いはずです。フランチャイザーの実績は、財務諸表や加盟店数、過去のトラブルなどで評価できます。これらの内容に問題がなければ、信頼性の高いフランチャイザーであると判断できます。
実績とあわせて、経営戦略を確認しておくことも重要です。オーナーの価値観にそぐわないと、店舗の運営を始めてから経営の自由度が低いと感じる恐れがあります。相性を確かめてからフランチャイザーを選びましょう。

フランチャイズの特徴を理解してからコインランドリー経営の方法を選択

ここでは、コインランドリーのフランチャイズ経営について解説しました。フランチャイズ経営には、フランチャイザーが蓄積したノウハウを活用できるなどのメリットがある一方で、加盟金やロイヤリティがかかるなどのデメリットがあります。
特徴を理解したうえで、自身に適した経営方法を選ぶことが重要です。コインランドリー経営をご検討中の方は、ニドコインランドリーへお気軽にご相談ください。ニドコインランドリーでは、1,000件以上の開業支援実績を活かし、出店計画からアフターフォローまで丁寧にサポートしています。コインランドリー経営をご検討中の方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

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横山 秀二 (ヨコヤマ シュウジ)

株式会社ニド 営業部長

《経歴・略歴》

工業高校(機械科)を卒業後、車業界へ就職、その後機械に興味を持ちランドリー業界に転職

《事業への思いや強味》

車業界で機械修理と営業職を行ってきたので、営業+機械修理などの技術職が得意です。
ランドリー業界の仕事も車の仕事と似た所が有り、新規営業などを行いながら機械修理を行うので、営業+機械修理が得意です。また、販売して終わりでなく販売してからが長いお付き合いと思いながら取り組んでおります。