コインランドリー経営・開業お役立ちコラム

公開日 2025.08.04 更新日 2025.08.04

コインランドリーの経営で起こりうるトラブルとその対処法

コインランドリーは人気の土地活用方法ですが、トラブルの発生も少なくありません。
機械の故障や不法投棄、利用者同士のトラブルなど、対策しないと大きな損失につながる可能性を考慮しなければいけません。
 

本記事では、コインランドリー経営で起こりやすいトラブルと対処法について詳しく解説します。
これから開業を検討している方は、リスク管理の参考にしてください。

コインランドリーの経営で起こりうるトラブル

コインランドリーは人件費を抑えつつ安定した収益が期待できるビジネスとして注目されていますが、無人であるがゆえのトラブルも数多く存在します。
事前に想定される問題を把握し、対策しておくことで安定した店舗運営が可能になります。
 

ここでは、実際に現場でよく発生する代表的なトラブルについて詳しく見ていきましょう。

洗濯機や乾燥機の故障

コインランドリーの要となる洗濯機や乾燥機が故障すると、店舗全体の機能が止まってしまい、顧客の信頼を大きく損なうおそれがあります。
洗濯中に機械が停止し、衣類が取り出せなくなると、利用者は強い不満を感じ、クレームを寄せられることがあるでしょう。
 

さらに、使用できる台数が限られている場合、他の利用者にも影響が及んで混雑を招き、利用者の満足度が下がるおそれがあります。
故障の原因は部品の経年劣化だけでなく、過剰な負荷や操作ミスによるものもあるため、定期的な点検と消耗部品の交換スケジュールをあらかじめ組んでおくべきでしょう。

両替機の故障

現金対応が中心のコインランドリーでは、両替機の存在が利用者の利便性を左右します。
両替機が故障してしまうと、小銭がなくて洗濯ができないという事態になり、せっかく来店した利用者を逃してしまうことになりかねません。
 

両替機は構造上のトラブルが起きやすく、内部の詰まりや紙幣の読み取り不良、コイン切れといった具体的なトラブルが起こる可能性があります。
また、キャッシュレス対応の機械と比べトラブル時のリカバリーに時間がかかるのも課題です。
 

毎日の営業終了後にはコインの残量を確認し、定期的に点検・清掃するなど、あらかじめ対応する姿勢が重要です。

無断駐車

店舗併設の駐車場を設けている場合、「洗濯とは関係ない車」が長時間停められているケースは非常に多く見られます。
無断駐車が常態化すると、本来の利用者が駐車できずにそのまま帰ってしまうという損失が生まれます。
 

さらに、長時間の駐車や放置車両によって、近隣住民とのトラブルに発展するリスクもあるでしょう。
駐車場の利用ルールを明確に掲示し、無断駐車に対する警告文や注意喚起を目立つ場所に設置するなど、心理的な抑止力を働かせる工夫が必要です。
 

場合によっては防犯カメラとナンバープレートの記録を併用すると安心です。

ごみの不法投棄

洗濯中に出た不要物を店内に放置されてしまう、外部の人が家庭ごみを持ち込むケースがあります。
 

とくに夜間営業の店舗では、夜間も明かりがついているため、不審者にとって人目につきにくく、不法投棄の対象になりやすい傾向があります。清潔感を維持するためにも、ごみ箱の設置場所や種類を明確にし、「持ち込みごみ禁止」の張り紙を掲示するなど、ルールの明文化と周知徹底が必要です。

利用者同士のトラブル

混雑する時間帯や休日は、洗濯機や乾燥機の利用を巡って利用者同士の口論やトラブルが発生することがあります。
洗濯が終わったまま放置された衣類をめぐるトラブルや、機械の順番を巡る言い争い、荷物の置き方など些細なことが原因となるケースも多いです。
 

利用者同士のトラブルは店舗の雰囲気を悪くするだけでなく、他の利用者の不安を招き、リピーター離れを引き起こす可能性もあります。
利用マナーや順番待ちのルールを張り紙で示しておくとともに、防犯カメラの設置による監視体制を整えれば、トラブルの発生を未然に防ぐ助けとなります。

盗難

コインランドリーは基本的に無人運営という特性上、盗難リスクが常に付きまといます。
洗濯物の持ち去りはもちろん、店内の備品やカゴ、椅子といった設備、さらに両替機や洗剤販売機の中の現金を狙った窃盗も起こり得ます。
 

深夜や早朝の人通りが少ない時間帯に発生しやすく、防犯体制の甘さを突かれるケースもあるでしょう。
防犯カメラやモニターによる監視、注意喚起の掲示、さらには営業時間の見直しなど、多角的な対策が求められます。
 

信頼される店舗を築くには、こうした安心できる環境を整えることが重要です。

コインランドリーで機械のトラブルが生じた際の対処法

コインランドリーの運営は洗濯機や乾燥機、両替機などの機器トラブルが避けられません。
とくに無人営業の場合、機械が正常に動かないと利用者からの信頼を失い、売上に悪影響を及ぼすリスクがあります。
 

日々の点検や迅速な対応が、安定した店舗経営の鍵となります。
ここでは、機械トラブルが発生した際の基本的な対処方法を2つ見ていきましょう。

説明書を読んで自身で解決する

軽度なトラブルであれば、まずは各機器に付属しているマニュアルを確認し、自力での対応を試みましょう。
多くの業務用洗濯機や乾燥機にエラーコードや警告ランプなどが表示される機能があるため、原因を特定しやすい場合もあります。
 

操作ミスや排水詰まりなどであれば、すぐに復旧できるケースもあるでしょう。
説明書やエラーの内容を理解していれば、業者に頼る前に早期解決できる場面が増え、無駄なコストと時間を節約できます。
 

また、簡易マニュアルを店舗に掲示しておくと、利用者自身が不調に気づいたときにも協力を得やすくなります。

業者に相談する

マニュアルを見ても原因が不明、あるいは自力での対応が難しい場合は、迷わず専門業者に連絡しましょう。
機械内部の不具合や電子制御の不調は、無理に操作して悪化させる前に、専門業者へ速やかに連絡することが重要です。
 

コインランドリー用機器を扱う業者は、緊急対応に強いサポート体制を用意しているところもあるので、定期的なメンテナンス契約を結んでおけばトラブル時もスムーズに対応してもらえます。
 

機器の故障が売上に直結する業態では、スピードと確実性を最優先に行動することが、経営者としてのリスク管理の基本です。
信頼できる業者とあらかじめ関係を築いておくことが、安定運営への第一歩となります。

コインランドリーで人的なトラブルが生じた際の対処法

コインランドリーの経営は、機械の不具合だけでなく利用者同士のトラブルや盗難、迷惑行為といった人的トラブルも無視できない課題です。
無人運営の場合、現場にスタッフがいないことで問題が長引きやすく、他の利用者の不安や店舗の評判が下がる原因となることもあります。
 

こうした人的トラブルに備えるには、事前のルール整備と対応マニュアルの策定が不可欠です。
ここでは、経営者が講じておくべき基本的な対処法をご紹介します。

防犯カメラを設置する

人的トラブルの予防と記録の両面で効果的なのが、防犯カメラの設置です。
監視カメラが設置されていることで、「見られている」という意識が働き、マナー違反や盗難、長時間居座るといった迷惑行為を抑える効果が期待されます。
 

また、トラブルが発生したときに映像記録があれば、事実関係を明確にできるため、冷静で公平な対応が可能になるでしょう。
 

カメラは出入口や機器周辺、駐車場など死角の少ない位置に設置するのが望ましいです。
最近は遠隔で確認できるシステムも多く導入されています。
 

設備投資としては初期費用がかかりますが、利用者の安心感を高め、結果的に店舗の信頼度向上にもつながる重要な施策です。

警察に相談する

店舗内でトラブルが発生し、迷惑行為や盗難といった悪質な事態に発展した場合は、経営者の判断で警察へ相談しましょう。
たとえば、女性の洗濯物が盗まれるといったセンシティブな問題や、利用者同士の暴力行為などは個人で対処しきれません。
 

被害が小さくても、今後の再発を防ぐ目的として早い段階で警察に相談することで、再発の防止につながります。
警察に届け出を出しておけば地域としての防犯意識も高まるでしょう。
コインランドリーのように不特定多数が出入りする場所では、経営者が毅然とした姿勢で対応することが長期的な安定経営につながります。

トラブルを見越した備えが安定経営への近道

コインランドリー経営は、無人で収益を上げられる魅力的な土地活用ですが、トラブル対応の準備が収益性を左右します。
人的・機械的なリスクに備え、事前の体制づくりが不可欠です。
 

ニドコインランドリーでは、開業前の物件調査や設計提案はもちろん、開業後のトラブル対策や保守サポートまで一貫して対応しています。
安定した経営を目指すなら、実績ある専門企業のサポートを活用しましょう。
ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

監修者の写真

横山 秀二 (ヨコヤマ シュウジ)

株式会社ニド 営業部長

《経歴・略歴》

工業高校(機械科)を卒業後、車業界へ就職、その後機械に興味を持ちランドリー業界に転職

《事業への思いや強味》

車業界で機械修理と営業職を行ってきたので、営業+機械修理などの技術職が得意です。
ランドリー業界の仕事も車の仕事と似た所が有り、新規営業などを行いながら機械修理を行うので、営業+機械修理が得意です。また、販売して終わりでなく販売してからが長いお付き合いと思いながら取り組んでおります。