コインランドリー経営・開業お役立ちコラム
「個人でもコインランドリー経営を始められる?」「フランチャイズとの違いを教えてほしい」などと考えていませんか。詳細がわからず不安を感じている方もいるでしょう。最初に結論を示すと、個人でもコインランドリー経営を始められます。
ただし、フランチャイズよりも難易度は高いといえます。ここでは、個人経営とフランチャイズの違い、個人経営のメリットに加え、コインランドリーを開業するまでの流れやコインランドリー経営に必要なものなどを解説しています。個人で開業したい方は参考にしてください。
コインランドリー経営の方法は以下の2つにわかれます。
【経営方法】
個人であっても開業は可能です。ただし、一定の知識、経験がないと、市場調査、立地の選定、収支計画の立案などを行うことは難しいかもしれません。
したがって、個人で開業する場合も、コインランドリーの開業・経営をサポートしている専門業者に相談することが一般的です。専門業者のサポートを受ければ、未経験の個人であっても開業は可能といえるでしょう。
個人経営とフランチャイズ経営には、さまざまな違いがあります。主な違いをまとめると以下のようになります。
比較項目 | 個人経営 | フランチャイズ経営 |
収益性 | 〇 | △ |
経営の自由度 | 〇 | △ |
ブランド力 | △ | 〇 |
本部のサポート | △ | 〇 |
収益性と経営の自由度については、次の見出しで解説します。一般的に、ブランド力はフランチャイズのほうが高いと考えられています。同一の名称・サービスで、多店舗を展開しているためです。フランチャイズ経営は、オープン当初から集客しやすい傾向があります。
また、フランチャイズ経営は、ノウハウの共有、管理システムの提供など、本部の手厚いサポートを受けられます。ただし、個人経営もサポートを受けられないわけではありません。専門業者を利用すれば、よく似たサポートを受けられます。
続いて、個人経営のメリットを紹介します。
前述のとおり、個人経営は高収益を実現しやすいと考えられています。フランチャイズ経営で必要になる加盟金、保証金、ロイヤリティなどが発生しないためです。参考に、各費用の目安を紹介します。
項目 | 金額の目安 |
加盟金 | 50~100万円 |
保証金 | 100万円 |
ロイヤリティ | 売上の5~10% |
手厚いサポートを受けられる点は魅力ですが、これらの費用が経営を圧迫することもあります。特に、毎月、発生するロイヤリティには注意が必要です。個人経営のほうが、手元にお金を残しやすいといえます。
経営の自由度が高い点も、個人経営の魅力です。フランチャイズ経営は、ブランドイメージを守るため、本部がさまざまなルールを定めています。
したがって、店舗を利用するユーザーのニーズに応えられないこともあります。個人経営であれば、利用料金はもちろん、営業時間やサービス内容なども自由に決められます。
たとえば、ユーザーのニーズに応えるため、地域のとれたて野菜を販売するマルシェを併設することも可能です。自身の理想を追求したい方は、基本的に個人経営が向いています。
ここでは、コインランドリーの開業に必要なものを紹介します。
一般的に、個人経営はフランチャイズより開業資金を抑えやすいと考えられています。加盟金や保証金などが発生しないためです。それでも原則としてまとまった費用がかかります。小型店舗の開業にかかる費用の目安は2,000~3,000万円程度です。具体的には、以下の費用などがかかります。
【費用の内訳】
機器の導入にかかる費用の目安は1,300万円~、工事にかかる費用の目安は700万円~といえるでしょう。具体的な金額はケースで異なります。事前に見積もりをとって確認することが大切です。
当然ながら、土地と店舗も欠かせません。土地を所有している場合は、その土地に店舗を建てることも可能です。ただし、立地には十分に注意しなければなりません。条件が整っていないと、集客に苦戦する恐れがあります。一般的に、以下の条件を満たす土地は、コインランドリーに向いていると考えられています(詳しい条件は後ほど解説します)。
【土地の条件】
もちろん、土地を借りることや既存の店舗を利用することもできます。
コインランドリーを開業する際に、地域を管轄する保健所へコインオペレーションクリーニング営業施設開設届を提出します。同書類は、原則として自治体の公式サイトなどでダウンロードできます。主な記載内容は以下のとおりです。
【記載内容】
この書類を提出すると、保健所の担当者が検査をするために店舗を訪れます。検査で問題がなければ検査済証が交付されます。また、開業する地域によっては、消防署への届出も必要です。この点も忘れずに確認しておきましょう。
出典:厚生労働省「○コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置等指導要綱について」
コインランドリーの魅力は、店舗にスタッフを常駐させる必要がないことです。ただし、機器の故障を始めとするトラブルが起きたときは対処を求められます。
1人で運営していると、オーナー自らが店舗を訪れて作業を行わなければなりません。負担を減らしたい場合は、スタッフを採用・教育して配置しておく必要があります。人件費はかかりますが、オーナーの業務を削減できます。また、スタッフが常駐することで、ユーザーの安心感も高められるでしょう。
フランチャイズに加盟する場合も、用意するものは基本的に同じです。ただし、加盟金や保証金などの費用が発生するのが一般的です。
また、本部とフランチャイズ契約を締結しなければなりません。この際に求められる書類はケースで異なります。事前に資料請求などをして確認しておくことが大切です。
続いて、コインランドリー経営に適した立地の条件を詳しく解説します。
コインランドリーの所要時間は、1回あたり60~150分程度です。待ち時間を費やせる施設が近くにある土地はコインランドリーに向いています。具体的な施設の例として以下のものがあげられます。
【施設の例】
たとえば、スーパーマーケットが近くにあると、待ち時間に買い物を済ませられます。近くにこれらの施設がない場合は、店舗にWi-Fiを設置する、カフェを併設する、雑誌や本を揃えるなどの方法で満足度を高められます。
都市部に店舗を開業する場合は、駅やバス停の近くなど、交通の便がよい場所を選びましょう。地方に比べると自動車の保有率が低いため、郊外に出店すると効率よく集客できない恐れがあります。
また、人通りの多い場所を選ぶと、店舗の存在そのものが広告になりえます。地域における認知度を高められる点もポイントです。ちなみに、都市部は単身者の割合が高いと考えられています。この点も踏まえて、店舗を設計することが重要です。
地方に店舗を開業する場合は、十分な駐車スペースを確保できる場所を選びましょう。都市部に比べると、移動にマイカーを利用する方が多いためです。駐車スペースがないと、それだけで選択肢から外れる恐れがあります。また、マイカーで洗濯物を運べるため、毛布やブランケットなど、大きなものを洗う方が多いと考えられます。見込み客のニーズを分析して、必要であれば大型洗濯乾燥機の数を増やすとよいかもしれません。
続いて、個人でコインランドリーを開業する流れを紹介します。
個人経営のデメリットは、他社のノウハウを活用できず、手厚いサポートも受けにくい点です。必然的に、開業のハードルは高くなります。開業手続に不安を感じる方は、コインランドリーの開業支援を行っている事業者に相談しましょう。
原則として、加盟金や保証金はかかりませんが、ノウハウを提供するとともに手厚いサポートを行ってくれます。具体的には、ステップ②~④までの各支援を行ってくれることが一般的です。まずは、専門業者を探してみてはいかがでしょうか。
次に、市場調査を行います。市場調査の主なポイントは以下のとおりです。
【市場調査のポイント】
これらの情報などを踏まえて立地を選定します。
市場調査の結果をもとに収支計画を立てます。競合店のデータを参考にすると、精度の高い収支計画を立てやすくなります。ポイントは、客観的なデータをもとに売上を算出することと支出をやや多めに見積もることです。
これらの点を意識すると、想定外の出来事に対応しやすくなります。同様に市場調査の結果を参考にして、店舗の規模、導入する機器、駐車場の広さなどを検討します。見込み客のニーズにあわせて、店舗を設計することが大切です。
ここまでの内容を踏まえて、店舗の工事、機器の導入を進めます。並行して、集客活動などの開店準備も行いましょう。集客活動のコツは、見込み客が利用している媒体を活用することです。具体例として、地域の情報誌などがあげられます。早めに対策を講じておくと、経営が軌道に乗りやすくなります。
原則として、コインランドリーの商圏はそれほど広くありません。売上を安定させるため、リピーターを確保することが重要です。ここでは、リピーターを増やすコツを紹介します。
店舗のコンセプトとユーザーのニーズがずれていると、さまざまな施策を実施してもリピーターを獲得できない恐れがあります。ユーザーが使いにくさを感じてしまうためです。
たとえば、利用したい機器が導入されていない、料金が高すぎる、駐車場が狭すぎるなどが考えられるでしょう。ミスマッチを防ぐため、見込み客のニーズを調査してから出店計画を立てることが大切です。
設備メンテナンス費や人件費を削り過ぎると、客離れを招く恐れがあります。ユーザーが求める品質のサービスを維持できなくなるためです。
たとえば、トラブルが起こりやすい、トラブルが生じたときに相談できるスタッフがいないなどが考えられます。利益率を高めたい場合も、リピーターを確保するため一定の投資が必要です。
リピーターを獲得するために、意識したいのがユーザー数を増やすことです。リピーターになる確率が一定であれば、ユーザー数を増やさないとリピーターは増えません。
まずは、サービスを実際に利用してもらうことが大切です。
具体的な取り組みとして、オープニングキャンペーンを開催する、地域住民にクーポンを配布するなどが考えられます。見込み客が利便性に気づくと、利用するサービスの選択肢に加わります。
ここでは、個人のコインランドリー経営について解説しました。フランチャイズに加盟しなくても、コインランドリーを開業、経営できます。
ただし、さまざまな手続きが必要になるため、専門家のサポートが欠かせません。開業支援を受けたい方は、ニドコインランドリーにご相談ください。1,000件以上の開業に携わった経験を活かし、出店計画からアフターメンテナンスまで、幅広いノウハウを提供しています。未経験の方でも、安心してコインランドリーを開業できるはずです。
この記事の監修者
横山 秀二 (ヨコヤマ シュウジ)
株式会社ニド 営業部長
《経歴・略歴》
工業高校(機械科)を卒業後、車業界へ就職、その後機械に興味を持ちランドリー業界に転職
《事業への思いや強味》
車業界で機械修理と営業職を行ってきたので、営業+機械修理などの技術職が得意です。
ランドリー業界の仕事も車の仕事と似た所が有り、新規営業などを行いながら機械修理を行うので、営業+機械修理が得意です。また、販売して終わりでなく販売してからが長いお付き合いと思いながら取り組んでおります。