コインランドリー経営・開業お役立ちコラム

公開日 2025.08.04 更新日 2025.08.04

独立開業にはどんな特徴やメリットがある?注意したいポイントも解説

スキルやアイディアを活かして働く手段として、会社や団体に所属せず独立開業を目指すという選択肢もあります。しかし、独立開業の定義やフリーランスなどとの違いについて曖昧なまま理解している方も少なくありません。
この記事では、独立開業の特徴とフリーランスや起業との違いについて取り上げています。独立開業のメリットや向いている人と向いていない人の特徴も解説しています。
実際に独立開業を進めるうえで重要なポイントや種類についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

独立開業とは

独立開業とは、個人が事業を立ち上げ、運営することです。勤務場所や従業員の有無を問わず、企業に雇用されずに自身のスキルやアイディアをベースに仕事を行う形態です。
店舗やオフィスを持たず、自宅で事業を始めるケースも独立開業に含まれます。業種や事業規模に決まりはなく、飲食店・小売業・フリーランス・士業など多様な業種が当てはまります。
独立開業の魅力は、自由な働き方や自己実現の可能性にあります。自身のもつスキルをフルに活かし、顧客の獲得や事業の運営、拡大を図ることが可能です。
未知の可能性にチャレンジできる機会も多く、自らの裁量で迅速に事業方針を決定できるため、柔軟な思考やフットワークの軽さが活かせるでしょう。
一方で、独立開業には、収入の不安定さや経営に伴うリスクも存在します。事業計画の立案や資金調達、許認可の取得が必要になるケースも多く、事業によっては入念な準備や慎重な計画・手続きが求められます。
独立開業後は事業を運営する経営者となるため、成功のためには継続的な努力や対応力が不可欠です。

独立開業とフリーランス・起業の違い

次に、独立開業とフリーランス、独立開業と起業の違いについてみていきましょう。

フリーランスとの違い

フリーランスは、特定の所属先をもたずに個人として仕事を請け負う働き方です。
個人で活動する働き方全般をフリーランスと呼び、フリーランスとして働く人を「フリーランサー」と呼ぶ場合もあります。独立開業と異なり、開業届を提出せず、確定申告だけで活動しているフリーランスも存在します。
独立開業はあくまでも開業届を出して事業を行う働き方ですが、フリーランスは特定の企業や団体に所属しないという意味合いのため、個人として業務を請け負い報酬を得ていれば、フリーランスと名乗ることが可能です。
近年、テレワークやワーケーションなど多様な働き方が普及しつつあるため、フリーランスとしての働き方を選択する人も増えてきています。

起業との違い

起業は、新たに事業を立ち上げることを指します。個人または集団が、ビジネスのアイディアやサービスなどを基にして会社や事業体をつくり、経済活動を始めることです。
独立開業との違いは、広義に「経営」という意味合いが含まれるか否かです。起業は文字通り「事業を興す」ことを意味し、独立開業は店舗の開店、オンラインショップの運営といった、広い意味での事業運営を含みます。
起業には、既存の事業ではなく新たなアイディアやサービス、ビジネスモデルなどによる事業の立ち上げという意味もあります。独立開業が実店舗の運営など具体的な操業を含めるのに対して、起業は新たに事業を立ち上げるという意味合いを持ちます。
一例として、革新的な技術やビジネスモデルを用いて急成長を目指す「スタートアップ」が起業の代表例です。
スタートアップは新規事業の立ち上げなどに対して用いられる名称ですが、新たな価値の創出や、困難な課題の解決を目指すという目的を含んでいます。起業後に目標をクリアしながら急成長した場合、その企業は「スタートアップ企業」と呼ばれます。

独立開業のメリット

独立開業には、収入面でのメリットや節税効果などが期待できるほか、自由な働き方が手に入りやすいという利点もあります。
具体的に、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。

メリット①高収入を目指せる

独立開業は、個人のスキルや工夫によって、会社勤めよりも高収入を目指せる点が特長です。
会社員は昇給に限界があるため、売上に貢献してもすべてを収入に還元することはできません。一方、独立開業を行えば事業を自発的に展開し、利益を最大化し、収入向上につなげることが可能です。
店舗を持たないフリーランスでも、複数の案件を同時に受注して進行することで売上に繋げられます。会社員のように賞与(ボーナス)や手当がなくても、単価の高い案件を同時に進めることで、高報酬を得る機会も広がります。

メリット②節税できる

収入を増やすだけではなく、節税効果が期待できる点も、独立開業の利点の一つです。
節税の方法として、経費の計上が挙げられます。事業に関係するものであれば、通信費や交通費、接待交際費や新聞図書費など、さまざまな項目が経費に含められます。
会社などの法人では計上できる経費が制限されていることが多いため、節税による税金対策は困難です。独立開業であれば、事業に使用しているパソコンやその他の設備機器、家賃の一部なども経費に含められるため、課税所得を抑えることが可能です。
青色申告によって控除が受けられるほか、赤字の繰り越しによって翌年以降の所得との相殺もできます。
注意点として、節税には正しい知識と記録が不可欠です。間違った知識で脱税を行わないように、税理士などの専門家からサポートを受けましょう。

メリット③自由な働き方ができる

時間や場所、人間関係やノルマに縛られない自由な働き方ができることも、独立開業の大きな利点です。
他者からの過大な期待や要求がなく、時間的なストレスからも解放されるため、ライフスタイルに合ったスケジュールを組み立てることができます。ワークライフバランスを重視する方にとっても、非常に魅力的な働き方です。
社内会議や付き合い残業のような、非生産的な時間を省ける点も特長です。無駄なものを極力省き、「誰と仕事をするか」を自ら選べるため、業務以外で生じるストレスも抑えられます。
育児・介護・複業・プライベートなどとのバランスがとりやすく、地方や海外でも仕事ができる柔軟性もこの働き方の魅力です。精神的なゆとりや満足度が向上し、自分らしい暮らしの実現にも貢献します。

メリット④成長の機会が増える

独立開業は、営業やマーケティング、会計といった事業にかかわる全般を自分自身でマネジメントしなければならないため、さまざまなスキルや知識が身につく働き方です。
組織内では分業化されている項目の多くが自分自身の業務になるため、ビジネスに直接携わる難しさとともにやりがいが得られます。ハードルを乗り越えるごとにスキルや実績が増え、ときには方針転換や経営の多角化など難しい判断を求められる場面もあり、意思決定力も培われます。
独立した状態でスキルやサービスを売るという点において、自らがブランドとしての価値を担う存在となります。ブランドを成長させていき、さらなる信頼を勝ち取るためには工夫が必要ですが、困難なことを通してスキルアップを重ねれば着実に成長へと繋がります。
経営やビジネスに直接携わり、ブランド力を高めていくという成長の機会が多いことは、独立開業の醍醐味といえるでしょう。

独立開業の注意点

独立開業では、いくつか押さえておきたい注意点があります。収入面や責任の範囲など、ポイントごとに確認しましょう。

注意点①収入が安定しない場合がある

開業直後は顧客が限られているか、まったく顧客がいない状態からのスタートになります。そのため収入は不安定であり、思うように収益が上がらない可能性もあります。
実際の収入は仕事量と売上が左右し、月ごとに収入が大きく変動する可能性もあるため、生活費や運転資金は計画的に管理する必要があります。

注意点②仕事内容や責任の範囲が広い

分業化せず一人で事業を回す場合、営業・経理・事務といったさまざまな部門を自分自身で担わなければなりません。仕事内容が多岐にわたり、責任の範囲が広いことに注意が必要です。
万が一、業務でトラブルや失敗が発生したときも、個人経営者の自己責任となります。業務に必要な知識を蓄えながら、トラブルや失敗を迅速に立て直す対応力も求められます。

注意点③スケジュール管理の負担が増す

時間や場所にとらわれない自由な働き方ができる反面、スケジュールをしっかりと管理する必要があります。
スケジュール管理には業務だけではなく、プライベートの時間管理も含まれます。「朝起きられない」「夜遅くまで仕事をする」というように、時間管理が不十分であれば、仕事の成果にも大きく影響を及ぼします。日常生活と仕事をうまく切り分け、時間や仕事量を調整する工夫が必要です。

独立が向いている人の特徴

次に、独立が向いている人の特徴をみていきましょう。

特徴①独立する目的や目標がしっかり定まっている人

あらかじめ目的や目標が定まっている人は芯が通っており、困難な状況でも道を間違えずに行動できます。
「事業を続けるために何が求められるのか」を考え、主体的に取り組めるために、独立に適したタイプといえるでしょう。

特徴②お金を稼ぐことに前向きな人

言われたとおりに働いて給料を受け取るの受け身な姿勢ではなく、自ら利益を追求して収入アップを目指す意識が強い人ほど、収益化に必要な行動や投資判断ができます。
お金を稼ぐ目的がはじめから定まっており、お金を稼ぐことに罪悪感がない人も、一定の収入を得られる可能性があるでしょう。

特徴③自分の軸を持って判断・行動できる人

自分の軸が確立している人ほど、他人の意見に惑わされにくく、自分の考えや価値観に基づいた行動ができます。
これは独立開業にふさわしいスキルのひとつで、軸をもっていれば不確実な状況でも迷わずに行動できます。主体性を発揮して戦略的に行動ができるため、迷いが少なく目的を達成しやすいのです。

特徴④集中力のある人

独立開業では、個人・集団を問わず集中力が成果に直結します。一人であらゆる業務を担当する場合は、高い集中力が求められます。
一日の時間は限られており、その時間内でタスクを消化しなくてはならないため、集中力が高い人ほど効率的に業務を遂行できます。

独立が向いていない人の特徴

独立が向いていない人の特徴は、「独立すること自体がゴールになっている」「お金に対して堅実すぎる」「自発性に波がある」の3点です。

特徴①独立すること自体がゴールになっている人

独立開業はゴールではなく、事業のスタート地点です。事業を始めた後は継続的な運営が求められ、そのなかで意思決定を繰り返して事業を確固たるものにしていきます。
しかし、「会社を辞めたい」「自由になりたい」といった曖昧な理由で独立を検討していると、それ自体がゴールになってしまい、独立を達成してすぐに燃え尽きてしまうおそれがあります。
ビジネスは需要に対しての供給が常に求められ、高い目的意識や課題解決のための姿勢がなければ、高いハードルを超えられないことがあります。独立をゴールに設定している場合は、改めて目的を見直す必要があるでしょう。

特徴②お金に対して堅実すぎる人

事業には設備機器を揃える初期投資のほか、広告宣伝・仕入れや人件費などの出費が発生します。いずれも事業をスタートさせ、軌道に乗せるための支出です。
お金に堅実で、お金を使うことを恐れる人は、必要なタイミングに差し掛かってもお金を出す判断が取りづらいことがあります。

特徴③自発性に波がある人

やる気にムラがあり、モチベーションが下がると能率が低下しやすい人は、セルフコントロールが不可欠な独立開業には不向きです。
組織に所属せず、誰も行動を管理してくれない場合、自分自身で立てたスケジュールに沿って行動しなければなりません。プライベートと仕事のバランスを取ることはもちろんですが、売上がない時期でも努力し、業務を継続する必要があります。

独立開業の種類

独立開業の種類として、法人・個人事業主・フランチャイズの3種類が挙げられます。どのような違いがあるのでしょうか。

法人

法人とは、法的に独立した組織のことです。会社の設立が代表例で、代表者を置いて事業活動を行います。

個人事業主

個人事業主は個人で事業を行うこと、個人で事業を行っている人を指します。開業手続きが完了すれば、すぐに事業を開始できます。

フランチャイズ

フランチャイズは、既存のブランドから看板(ブランド名)を借りて事業を展開することを指します。
既存ブランドのノウハウや営業支援ツール、サービスやサポートを活用することができます。

独立開業を成功させるコツ

独立開業を成功させる3つのコツについても詳しくみていきましょう。

コツ①経験とスキルを積んでから独立開業する

独立開業を行って成功するためには、十分な経験とスキルを積んでおくことが重要です。
開業予定の業界に関する知識や実務経験が十分に備わっており、集客や品質管理といった実際の業務に対応できるようになっておくことで、開業後に生じうるトラブルや失敗のリスクを抑えることができます。

コツ②独立開業の前に副業を試す

はじめに副業として業務に当たることも、独立開業を成功させるポイントです。
副業は、本業がありながら低リスクで実務経験が積める方法です。市場の反応を確かめたり、開業予定のビジネスが継続可能かを検証したりする手段にもなります。

コツ③個人事業主から始める

法人の設立には登記費用や税務処理、人件費などさまざまなコストがかかりますが、個人事業主は単独で比較的簡単にスタートできます。
初期費用を抑え、柔軟に対応したい場合はいきなり法人化せず、まずは個人事業から始めるのが賢明です。

コツ④ターゲットを明確にする

「誰に向けてどんな商品・サービスを提供するのか」を明確にしましょう。独立開業によってターゲットとなる人の年齢層・職業・ライフスタイル・生活などを設定することで、ニーズに合う集客施策がとりやすくなります。

コツ⑤スキルの向上を継続する

競合他社や大企業との競争に取り残されないためには、継続的な取り組みが不可欠です。
業務に必要なスキルはもちろん、自己投資として業務の幅を広げる資格の取得や知識を増やすための読書など、アップデートに力を入れることがビジネスを継続するうえで重要な要素となります。

独立開業のメリット・デメリットを知ろう

今回は、独立開業の特徴とフリーランスや起業との違い、ビジネスを成功させるポイントについて紹介しました。
独立開業はワークライフバランスに配慮した自由度の高い働き方や収入向上といった利点がある一方で、リスクについても十分に考慮する必要があります。
ニドコインランドリーでは、高い需要があるコインランドリーの経営について、多角的な視点と豊富なノウハウからサポートを行っています。経営に携わりたいと考えている方は、ぜひこの機会にお問い合わせください。

この記事の監修者

監修者の写真

横山 秀二 (ヨコヤマ シュウジ)

株式会社ニド 営業部長

《経歴・略歴》

工業高校(機械科)を卒業後、車業界へ就職、その後機械に興味を持ちランドリー業界に転職

《事業への思いや強味》

車業界で機械修理と営業職を行ってきたので、営業+機械修理などの技術職が得意です。
ランドリー業界の仕事も車の仕事と似た所が有り、新規営業などを行いながら機械修理を行うので、営業+機械修理が得意です。また、販売して終わりでなく販売してからが長いお付き合いと思いながら取り組んでおります。