コインランドリー経営・開業お役立ちコラム

立地は、コインランドリー経営の成否に影響を与える要素のひとつです。開業後に変更することは難しいため、慎重に検討することが求められます。
本記事では、コインランドリー経営で立地が重要視される理由とコインランドリーに適した立地の条件を解説するとともに、立地を活かすポイントや繁盛するコインランドリーの特徴などを紹介しています。
立地条件でお悩みの方は参考にしてください。

コインランドリー経営において、安定した収益を確保するためには、集客力が必要です。どれほど高性能な洗濯機や乾燥機を導入しても、利用者がいなければ意味がありません。
立地は、顧客層へのリーチを大きく左右する要素です。たとえば、住宅街の近くであればファミリー層からの日常的な洗濯ニーズ、商業施設内や駅周辺であれば、買い物や通勤・通学のついで利用が見込めます。
またコインランドリー市場は、地域によって競合が激しい場合もあります。そのような状況下で競合店と差別化を図るためには、単に設備を充実させるだけでなく、どのような立地かにも着目しなければなりません。
利便性の高い立地を選ぶことで、自然と利用者が集まりやすくなり、安定した経営へとつながるでしょう。

安定した集客を実現するためには、コインランドリーに適した立地選びが重要です。一般的に、以下のような立地が適しています。
それぞれ見ていきましょう。
商業施設やスーパーマーケットは、日々の買い物や用事を済ませるために多くの人が集まる場所です。買い物ついでに洗濯物を済ませたいというニーズに応えられるため、潜在的な顧客層にリーチできます。
また、商業施設によっては駐車場が完備されている場合も多く、車でのアクセスも容易である点も魅力の1つです。食料品や日用品の買い出しなどの日常的な行動と結びつけることで、習慣的な利用を促進できるでしょう。
駅周辺は、通勤・通学や乗り換えなど、多くの人が日常的に行き交う場所です。さまざまなライフスタイルの人々が集まるため、多様なニーズに対応できる可能性があります。
とくに単身マンションやタワーマンションが付近にある駅や、都市型の駅の周辺はメリットが大きいといえます。1人暮らしの学生や単身赴任者などの自宅に洗濯機がない層、週末にまとめ洗いをする利用者などにとって、利便性が高いためです。
さらに、駅に直結しているコインランドリーは、雨の日でも濡れる心配が少ないため、気軽に利用しやすいのも利点です。駅近の利便性を活かし、時間を有効活用したい層の洗濯ニーズに応えることで、安定した集客が期待できます。
車でアクセスしやすい土地も、コインランドリー経営に向いています。布団や毛布など、大型の洗濯物を手軽に運びたいというニーズがあるためです。車でアクセスしやすい土地の例として以下の2つが挙げられます。
【車でアクセスしやすい土地】
雨の日でも濡れにくい屋根付きの駐車場、大型の洗濯物を運びやすい平坦な通路など、付加価値につながる工夫を取り入れると、顧客満足度を高められるでしょう。また、駐車場そのものの使い勝手にも配慮が必要です。交通量が多すぎる、敷地が狭すぎるなどの理由で車を停めにくいと、運転が苦手な利用者から敬遠される可能性があります。
ファミリー層が多く住んでいる住宅街も、新規顧客やリピーターの獲得につながりやすい傾向があります。主な理由として以下の点が挙げられます。
【理由】
共働きで高校生以下のお子様がいるご家庭は、上記の条件にあてはまる傾向があります。地域のニーズに合わせて大容量洗濯機や靴用洗濯機を導入すると、利用につながりやすくなります。
人目につきやすい土地も、コインランドリー経営に向いています。店舗に看板を設置するだけで、地域における認知度を高められるためです。広告宣伝費を抑えながら認知拡大につなげられます。人目につきやすい土地の例は次の通りです。
【人目につきやすい土地】
カーブの外側にある店舗は、進路の正面に見えるため目立ちます。ここでいう「生活利便施設」の例として、スーパーやドラッグストアが挙げられます。2つの要件を満たす土地は、コインランドリー経営に特に向いているといえるでしょう。
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最適な立地を選んだとしても、それだけでコインランドリー経営が成功するとは限りません。また、すでにある立地条件でコインランドリー経営を成功させたい方もいるでしょう。
ここでは、コインランドリー経営に重要な立地条件を活かすポイントを3つ解説します。
それぞれのポイントを踏まえて、安定した経営戦略につなげてください。
具体的なターゲット層を絞り込むうえで、立地周辺の人口構成や世帯属性の把握は不可欠です。
単身世帯や共働き世帯が多いエリアでは、乾燥時間の短縮やまとめ洗いのニーズが高く、大容量の洗濯乾燥機や乾燥機の需要が見込めます。また、持ち家率が高いエリアでは、布団や毛布などの大型洗濯のニーズも考えられるでしょう。
周辺の人口構成を分析する際には、総人口だけでなく、年齢層別の分布や昼間人口と夜間人口の差なども考慮に入れるのがポイントです。これらの情報をもとに、適切な設備導入や料金、営業時間の設定を行うことで、効率的な経営につながります。
競合の出店タイミングや距離感によっては、売上が左右される場合もあります。競合店の有無や状況について事前にリサーチすることで、有効な差別化戦略を練るのに役立つでしょう。
市場のニーズと競合店の強みや弱みを明確にするためにも、以下のような項目について調査するのがポイントです。
分析内容に基づいて、自店がどのような特色を打ち出すべきか、どのようなサービスを提供すべきかについて、方向性を定められます。
実際に競合店を利用してみるのもおすすめです。店舗の清潔さ、利用者の層、スタッフの対応などを確認することで、改善すべき点や顧客が重視するポイントが見えてくることもあるでしょう。
人口構成や世帯属性、競合店の状況を踏まえて、利用者のライフスタイルやニーズに対応することも大切です。優れた設備を導入しても、地域のニーズとずれていたり、競合他店と差別化できていなかったりすると効率よく集客できません。参考に、ターゲット別におすすめの施策を紹介します。
| 主なターゲット | おすすめの施策 |
| 10~20代の単身世帯 |
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| ファミリー世帯 |
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| 高齢者世帯 |
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効果的な対策は、立地により異なります。実際の調査結果を踏まえて検討を進めることが大切です。
開業時にかかる初期費用は、店舗の広さや導入する設備などで大きく異なります。小型店舗(15~20坪程度)における初期費用の目安は以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
| 物件取得費(賃貸) | 300万円 |
| 設備費 | 1,700万円 |
| 内外装工事費 | 500万円 |
| 備品・消耗品費 | 50万円 |
| 合計 | 2,550万円 |
フランチャイズに加盟する場合は、100~200万円程度の加盟金も発生します。具体的な金額は、物件条件や店舗規模によって大きく変動します。初期費用を踏まえて、事業計画を立てることも重要です。
収支をシミュレーションしておくことも欠かせません。初期投資を回収しなければならないためです。
収支のシミュレーションでは、売上だけでなく経費も考慮する必要があります。経営に問題が生じないことを確かめておきましょう。
収支については「コインランドリーの収支」で詳しく解説します。
続いて、儲かるコインランドリーの特徴を紹介します。
儲かっている店舗の多くは、立地にこだわっています。コインランドリーに向いている土地の条件は次の通りです。
【土地の条件】
また、都市と地方でも望ましい立地は異なります。両者の主な違いは以下の通りです。
| 分類 | 特徴 |
| 都市 |
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| 地方 |
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都市は、単身者の利用を見込める駅前も候補に入ります。事前に十分な分析を行い、最適な立地を選定することが重要です。
投資効率は、投じた資金に対する利益の割合です。資産活用に長けている経営者は、意識的に投資効率も高めています。
具体的な取り組みとして、店舗規模の調整が挙げられます。コインランドリーの稼働率は平均10%程度であるため、店舗の規模を大きくすると稼働しない設備が増えてしまいます。ケースによっては、店舗規模を小さくして資金を有効活用することも重要です。
競合他店と差別化している店舗は、長期間にわたり安定した売上を維持できます。
新規参入があったとしても、ライバルにお客様を奪われないためです。差別化の方法として、以下のアイデアが挙げられます。
【差別化の方法】
例として、ペット用品専用洗濯機の導入、ポイントカード制度の導入、カフェスペースの併設などが挙げられます。
売上を拡大している店舗の多くは、継続的に広告宣伝活動を行っています。新規顧客を獲得するためです。
定番の方法として、商圏内の世帯を対象とするポスティングが挙げられます。ポスティングには、以下のメリットを期待できます。
【メリット】
継続的に取り組むことで、地域における認知度を高められます。ポスティング以外では、公式SNS、地域情報誌の活用が考えられます。
儲かっている店舗は、リピーターを獲得する施策にも取り組んでいます。具体例は、以下の通りです。
【施策の例】
ポイント還元を行うことで、再利用を促せます。再来店を促すためには、待合スペースの設置や無料Wi-Fiの導入など、快適に利用できる環境づくりも欠かせません。
地域から支持されている店舗は、機器のラインナップが適切です。中型洗濯機を中心に、大型洗濯機・小型洗濯機・乾燥機をバランスよく配置しています。
これらの中で、主な収入源になるのが乾燥機です。天気が悪い日に、乾燥機だけ利用するお客様もいます。
ただし、乾燥機に特化すると、ターゲットを必要以上に絞り込んでしまいます。地域のニーズに合わせて、機器のラインナップを調整することが大切です。
店内が清潔に保たれていることも、儲かる店舗の条件です。
衣類などの洗濯や乾燥を目的とするため、店内が汚れているとお客様から敬遠されてしまいます。計画的かつ定期的な清掃を実施し、清潔な環境を維持することが求められます。
また、儲かっている店舗は、洗濯物の放置を予防する対策にも取り組んでいます。長時間にわたり放置されると、機器の稼働率に加え、他のお客様の満足度も低下するためです。具体的な対策として、外出時のルールを明確にする、アプリで洗濯終了を通知するなどが考えられます。
長期にわたり売上が安定している店舗の多くは、新しいサービスを積極的に導入しています。
競合他店に比べて古い、使い勝手が悪いなどのイメージが定着すると、お客様が離れてしまうためです。
ただし、設備の入れ替えには、まとまった費用がかかります。投資効率を考慮しながら、導入するサービスを慎重に判断する必要があります。
コインランドリーの収支は、売上から経費を差し引いて求めます。一般的なコインランドリー(15~20坪程度)の売上は1カ月あたり50~70万円程度です。参考に、具体例を紹介します。
| 店舗面積 | 20坪 |
| 客単価 | 600円 |
| 機器の設置台数 | 14台 |
| 稼働率 | 10.0% |
| 営業時間/営業日数 | 24時間/30日 |
| 月の売上 | 60万4,800円 |
1カ月あたりの経費の目安は30~50万円程度です。参考に、主な経費を紹介します。
| 家賃 | 16万円 |
| 水道光熱費 | 12万円 |
| 備品・消耗品費 | 3万円 |
| ロイヤリティ | 6万円 |
| 月の経費 | 37万円 |
金融機関から借入を行っている場合は返済費用もかかります。
上記のケースにおける1カ月あたりの利益は24万円程度です。事前に収支をシミュレーションして、問題なく経営できることを確かめておきましょう。
関連記事:コインランドリーの清掃するべき箇所はどこ?日常的・定期的に実施するポイントを解説
本記事では、コインランドリーの立地について解説しました。店舗の集客力に大きな影響を与えるため慎重に検討することが大切です。
コインランドリーに向いている立地として、商業施設内、駅周辺、車でアクセスしやすい場所が挙げられます。
開業にあたっては、市場調査の結果を基に地域のニーズに適した店舗づくりを進めることが求められます。
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コインランドリー開業前のご不安やお悩みがある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
コインランドリー経営について、立地条件だけでなく幅広く知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
関連記事:コインランドリー経営で失敗しない!費用や業務、始め方の完全ガイド
| 広さ | 15坪 |
|---|---|
| 立地 | 都市型店舗 マンション1階 |
| 営業形態 | 無人店 |
| 客層 | 主婦・主婦層共働き世帯大洗 |
| 営業時間 | 6:00~24:00 |
| 設置機種 |
乾燥機/ 全自動洗濯乾燥機/ スニーカーランドリー/ |
| ★ポイント | 女性客に喜ばれるドラム式洗濯機を設置クリーンなイメージをアピール |
| 広さ | 25.0坪 |
|---|---|
| 立地 | 郊外ベッドタウン、大手スーパー並び |
| 営業形態 | 半有人店舗・プリペイドカードシステム導入 |
| 客層 | 主婦・共働きの大物洗濯、乾燥 |
| 営業時間 | 6:00~23:00 |
| 設置機種 |
乾燥機/ 洗濯機/ |
| ★ポイント | 全面ガラス張りによる明るい店舗設計 有線放送、エアコン完備で快適空間を演出 |
この記事の監修者

横山 秀二 (ヨコヤマ シュウジ)
株式会社ニド 営業部長
《経歴・略歴》
工業高校(機械科)を卒業後、車業界へ就職、その後機械に興味を持ちランドリー業界に転職
《事業への思いや強味》
車業界で機械修理と営業職を行ってきたので、営業+機械修理などの技術職が得意です。
ランドリー業界の仕事も車の仕事と似た所が有り、新規営業などを行いながら機械修理を行うので、営業+機械修理が得意です。また、販売して終わりでなく販売してからが長いお付き合いと思いながら取り組んでおります。