コインランドリー経営・開業お役立ちコラム

公開日 2025.08.04 更新日 2025.08.04

コインランドリーの乾燥機の使い方と利用の目安を解説

コインランドリーは設備の使いやすさがリピート率に大きく影響します。
中でも乾燥機は、短時間でふんわり仕上がる点が魅力ですが、使い方や温度設定を誤るとトラブルの原因にもなります。
 

本記事では、乾燥機の特徴や正しい使い方、料金や時間の目安、注意点まで分かりやすく解説しています。
土地活用としてコインランドリー経営を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

コインランドリーの乾燥機の特徴

コインランドリーに設置されている乾燥機は、家庭用と比べて高い性能を備えています。高温での乾燥と強力な風力により、スピーディーかつ衛生的に衣類を仕上げられ、利便性の高さから多くの人に支持されています。
ここでは、業務用乾燥機ならではの特徴について具体的に見ていきましょう。

洗濯物がふわふわに仕上がる

コインランドリーの乾燥機は、熱風を衣類全体にまんべんなく行き渡らせる構造になっており、繊維の奥までしっかり乾かせます。
 

このとき、生地に空気が含まれることで繊維が立ち上がり、自然とふわふわの感触に仕上がるのが大きな魅力です。
家庭では得られにくいふんわり感が実感できるため、特にタオルや毛布などをふっくらと仕上げたいときにおすすめ。
柔軟剤を使わなくても自然な柔らかさになるため、肌触りを重視する方にもおすすめです。
長く使ってゴワついた衣類も、定期的にコインランドリーで乾燥させればやわらかな質感が戻ることもあります。

たくさんの洗濯物を短時間で乾燥できる

コインランドリーの乾燥機は、1回の運転で14kg〜25kgもの大量の洗濯物を一度に乾燥できる大容量設計です。
家庭用乾燥機の数倍に相当し、普段自宅で何回にも分けていた洗濯物を、1回でまとめて処理できる大きなメリットがあります。
 

ドラム内が広いため衣類が絡まりにくく、温風が全体に行き届くことでムラなくしっかりと乾かせるのもコインランドリーならでは。
さらに、高出力のヒーターを備えているため、乾燥にかかる時間も家庭用の機種よりはるかに短縮されます。
 

たとえば、1週間分の洗濯物を自宅で4回に分けて乾かしていた場合でも、コインランドリーならわずか1回で済み、時間も手間も大幅に削減できます。
忙しい方や家族が多い家庭にとって便利な選択肢です。

ハウスダストの除去にも役立つ

乾燥機のもう一つの大きな特徴が、衛生面での効果です。
コインランドリーの業務用乾燥機は、80℃前後の高温風を使って乾燥させるため、ダニや細菌、カビといった目に見えない有害物質を熱でしっかり除去できます。
とくにダニは60℃以上の温度で死滅するとされており、コインランドリーの乾燥機ならそれ以上の温度で処理できるため、家庭では難しい衛生管理にも対応できます。
 

また、回転と同時に強力な遠心力と熱風が衣類に当たることで、繊維に絡みついたホコリやダニの死骸、花粉などのハウスダストも一緒に振り落とせます。
アレルギー対策の一助となるため、寝具や肌に直接触れる衣類は定期的な乾燥処理がおすすめです。
清潔で快適な暮らしを保つためにも、コインランドリーの乾燥機活用が期待できます。

コインランドリーの乾燥機の使用方法

コインランドリーの乾燥機は、家庭用とは操作方法やルールが少し異なります。
正しく使用すれば効率的に衣類を乾燥できます。
 

使い方を間違えると衣類を傷めてしまうことや、思わぬ事故の原因になるため、基本的な手順をしっかり理解しておきましょう。
ここでは、乾燥機の利用前に確認すべきポイントから、実際の操作手順、取り出し時の注意点まで段階的に説明します。

乾燥機に入れてよいもの・ダメなものを確認する

乾燥機を使う前に必ず確認したいのが、衣類が乾燥機に適しているかどうか。
衣類の洗濯表示をチェックすると確実です。
「タンブル乾燥禁止」のマークがあるものは、高温の熱風で傷んでしまうため「乾燥機の使用は控える必要があります。
とくに、シルクやカシミヤ、ウールなどの繊細な素材や、刺繍や飾りの多い衣類は変形や縮みのリスクが高いため注意が必要です。
 

また、油分や有機溶剤が付着した衣類も、乾燥機に入れると発火の危険性があります。
食用油が染み込んだキッチンタオルや、ガソリン・シンナーが付着した作業着などは、乾燥機は使用できません。

衣類を入れて乾かす

乾燥機に入れて良い衣類を確認したら、実際に乾燥機に入れていきます。
洗濯物は詰め込みすぎず、庫内の表示ラインを目安に入れると効率よく乾かせます。
 

容量が極端に少ないと熱風が均等に行き渡らないので、適量を守るのが一番です。
衣類を入れ終えたらドアをしっかり閉め、店舗ごとの支払い方法に沿って料金を投入します。
 

最近はキャッシュレス対応の乾燥機も増えてきていますが、古いタイプでは硬貨しか使えません。
スタートボタンを押す、もしくは料金を入れると自動で運転が開始されます。
乾燥時間は洗濯物の量や素材によって異なりますが、一般的な衣類であれば30分程度が目安です。

運転が終了したら衣類を取り出す

乾燥が完了したら、表示パネルに終了のサインが表示されます。
終了直後は衣類が熱をもっており、ジッパーやボタンなど金属部分に触れるとやけどの恐れがあるため、少し時間をおいてから取り出します。
 

また、多くの乾燥機に「クールダウン機能」があり、運転終了後に庫内の温度を下げる仕組みです。
衣類を取り出すときは、シワができる前に手早くたたんでおくと見た目もきれいです。
 

また、乾燥が終わった洗濯物を長時間放置すると、他の利用者の迷惑になるだけでなく、トラブルの原因にもなりかねません。
運転が終わるタイミングを見計らって、速やかに取り出すのがマナーです。

コインランドリーで乾燥機を使用する際の時間の目安

コインランドリーの乾燥機を使うとき、どのくらいの時間をかければしっかり乾くのかは、洗濯物の量や素材によって変わってきます。
一般的な衣類であれば、20〜30分ほどの乾燥時間があれば十分に乾かせるでしょう。
タオルや下着、シャツなど薄手のものなら20分程度でも足りるかもしれませんが、ジーンズや厚手のスウェット、フード付きパーカーなどは時間がかかるため、最初から長めに設定しておきます。
 

また、毛布や布団のような大物の場合は、乾燥に40〜50分程度かかることもあります。
乾燥後に取り出してまだ湿り気があると感じた場合は、追加で料金を投入し延長して仕上げるか、自宅に持ち帰って乾かすかのどちらかです。
ただし、一度投入した料金は返金できないため、最初に様子を見ながら短めに設定する方法もあります。

コインランドリーの乾燥機の使用料金の目安

コインランドリーで乾燥機を利用するときの料金は、機器の容量や運転時間によって異なりますが、一般的に10分あたり100円が基本的な相場です。
大抵の衣類であれば30分程度の乾燥で十分なため、1回の利用につき300円前後が目安。
 

ただし、乾燥機の種類によっては容量が大きい分だけ1回の乾燥時間が短く設定されている場合もあり、同じ100円でも6〜9分で設定されている大型機も存在します。
また、洗濯と乾燥が一体化された機械を使う場合は、11kgで800円〜1,200円、18kgで1,000円〜1,400円といった具合に、容量によって幅があります。

コインランドリーの乾燥機で設定できる温度

コインランドリーの乾燥機には「低温・中温・高温」の3段階の温度設定が用意されており、衣類や寝具の種類に合わせて選べるのが特徴です。
温度設定を間違えると、衣類が縮んだり型崩れしたりといったトラブルにつながるため、洗濯表示を確認してから乾燥機にかけるのが正しい利用方法です。
 

それぞれの温度がどのような衣類や素材に向いているか、確認してみましょう。

低温

低温設定(約50〜60℃)は、熱に弱いデリケートな素材の衣類に適しています。
以下の衣類を目安にしましょう。

  • 女性用の下着やストッキング
  • レースカーテン
  • フリース
  • ブラウス
  • ジャンパー

ポリエステルやナイロンは高温での乾燥に耐えられないものが多いため、低温設定で優しく乾かします。
温度が高すぎると生地が縮んでしまうことや、しわが深く残ってしまうケースもあります。

中温

中温設定(約60〜70℃)は、日常的に着る衣類の多くに対応しているスタンダードな温度帯です。

  • Tシャツ
  • トレーナー
  • ジーンズ
  • 作業着

上記のように、比較的しっかりした素材の衣類に向いています。

中温は乾燥の効率が良いだけでなく、ダニの死滅にも効果があるとされており、衛生面でも優れた効果が期待できます。
60℃以上の熱を加えることで、アレルギーの原因となるダニを死滅させられるため、普段着と同時に衛生管理したい人にもおすすめです。

高温

高温設定(約70〜80℃)は、以下の乾燥に適しています。

  • 布団や毛布
  • 羽毛布団
  • 敷布団
  • こたつ布団

上記のように、家庭の洗濯機では扱いにくい大きな寝具類を乾かす際に適しています。
熱をしっかり通すことで、布団の中の湿気や汚れを飛ばすだけでなく、ダニやカビの原因となる菌を高温でしっかりと除去できます。
 

また、高温で乾燥することで繊維が立ち上がり、やわらかな仕上がりになる傾向があります。
ただし、すべての寝具が高温乾燥に対応しているわけではありません。
羽毛布団などは製品によって高温に弱い場合もあるため、必ず「高温乾燥可」の表示があるかどうか確認しないといけません。

コインランドリーで乾燥機を使うときの注意点

コインランドリーの乾燥機はとても便利ですが、使い方を誤ると洗濯物にダメージを与えてしまい、思わぬトラブルにつながります。
乾燥時間の設定や素材ごとの温度調整、機械の取り扱い方などに注意を払うことで、仕上がりをきれいに保ち、衣類の傷みや事故を防げるでしょう。
ここでは、乾燥機を使用するときの注意点を紹介します。

乾きやすいものでも約20分は運転する

どんなに乾きやすい素材であっても、乾燥機での運転は最低でも20分以上必要です。
 

時間を短くしすぎると、衣類の内側までしっかり乾かず、結果的に湿気が残ってしまいます。
生乾きの状態で取り出すと家で再度干し直さなければならず、手間が増えるだけでなくカビや臭いの原因に。
 

また、乾燥が終わった直後は衣類が温かいため、一見しっかり乾いているように見えても、実際には湿気が残っていることがあるため、少し時間をおいてから乾き具合を確認すべきです。
仕上がりのムラやトラブルを避けるためにも、乾燥時間は余裕をもって設定するのがポイントです。

素材によっては衣類が縮むことがある

乾燥機の熱風は非常に高温であるため、素材によっては縮みや型崩れの原因となります。
とくにウールやカシミヤ、アクリル、レーヨンといった熱に弱い素材は、高温にさらされることで繊維が縮んでしまい、元のサイズに戻らなくなるケースもあるでしょう。
 

そのため、前もって洗濯タグを確認し、「タンブル乾燥不可」や「低温指定」の表示がないか確認必須。
お気に入りの衣類を傷めないためにも、コインランドリーの高温・中温・低温の使い分けが必要です。

乾燥中に扉を開けるときは火傷に注意する

乾燥機は高温の熱風で衣類を乾かしているため、運転中に扉を開ける際は火傷に注意してください。
特に金属製のファスナーやボタン、ドラムの内壁は熱をもちやすく、うっかり触れると手をやけどしてしまう恐れがあります。
 

布団や大きな洗濯物を途中で裏返すときに扉を開ける場合は、必ず乾燥機内の温度が高くなっていることを意識し、慎重に作業しなければいけません。
機種によっては扉を開けただけで自動的に停止するタイプもありますが、中には停止ボタンを押さないと開かない仕様のものもあります。
どちらの場合でも、停止中にタイマーが進み続ける仕様のものだと時間を無駄にしてしまうので、手早く再開するのもポイントです。

乾燥機の正しい使い方がリピーター獲得のカギに

コインランドリーの乾燥機は高性能で便利な設備ですが、経営者としては正しい使い方や注意点を押さえることが利用者の満足度の向上につながります。
 

とくに温度設定や乾燥時間の工夫、安全への配慮は十分理解しておきましょう。
こうした情報をわかりやすく伝えることで、利用者に選ばれやすい店舗づくりにつながります。
 

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この記事の監修者

監修者の写真

横山 秀二 (ヨコヤマ シュウジ)

株式会社ニド 営業部長

《経歴・略歴》

工業高校(機械科)を卒業後、車業界へ就職、その後機械に興味を持ちランドリー業界に転職

《事業への思いや強味》

車業界で機械修理と営業職を行ってきたので、営業+機械修理などの技術職が得意です。
ランドリー業界の仕事も車の仕事と似た所が有り、新規営業などを行いながら機械修理を行うので、営業+機械修理が得意です。また、販売して終わりでなく販売してからが長いお付き合いと思いながら取り組んでおります。